松浦俊介Top「日記・コラム」ダイジェスト>平成15年7月16日(水)

自衛隊は劣化ウラン弾で被曝する



週刊文春にタイトルのような記事があった。

先週の土曜日に竹田共生塾があり、
その中でも、イラク戦争の劣化ウラン弾の話題が出た。

まず、劣化ウラン弾とは何か?
原発などで核燃料製造で生じる放射性物質によって
作られた武器だ。
核のゴミ爆弾といっていいだろう。

何でそんなウランなんかを使うのかといえば、
ウランというのは、天然に存在する元素の中で
最も重い元素だ。

このウランを対戦車用砲弾の弾頭などに使用すると
比重の重いウラン弾は、戦車の鉄板にあたると
衝撃で発火し、装甲を溶かしてぶち抜き、
戦車内で2000度の高温に達して、
あっという間に搭乗員を焼き殺す。

また、その衝撃で粉塵となったウランが
人や動物、土壌を汚染する。

前回の湾岸戦争でも使われ、その後遺症として、
イラクでは、多くの先天的障害のある子や
白血病などのガンになる子が、
通常より高い確率で生まれている。

劣化ウラン弾は、湾岸戦争、ユーゴのコソボ紛争、
アフガニスタンでも使われ、
今回のイラク戦争では、イギリス軍も使ったといわれている。

この劣化ウラン弾は、撃ち込まれる方が被曝するのは
もちろんだが、ぶっぱなす方も被曝する。
湾岸戦争のアメリカ帰還兵が、体の不調を訴えたり、
その後生まれてくる子供にやはり先天的な
異常が見つかったりしており、
裁判沙汰にもなったのだが、
因果関係がないということで
こうして現在も使われている始末。

私は不思議に思う。
何ゆえ、アメリカ兵及びイギリス兵は
劣化ウラン弾を使うのだ。

自分が被曝してその後の自分の人生において
不幸なことになることを分かった上で
劣化ウラン弾を使うのか?

過去、先輩兵士がそれを使って
苦しんだことを知っているだろう。
ひょっとして、知らないのか?
俺でも知っているぞ。
それとも、自分は大丈夫だと思っているのか?

これが、軍隊の怖さである。

自衛隊が、イラクに行った際、
劣化ウラン弾を被弾した戦車や建物、道路などの
改修工事などをして被曝したら、誰が責任取るんだ。
小泉さんは、大変な決断をしたもんだ。

以前にも書いたが、
こんなアメリカにつきあわされている日本および
世界の国々は、まったくもって不幸だが、
イラク国民はもっと不幸だ。


ちなみに竹田共生塾の竹田恒泰塾長の師匠が、
慶応大学の藤田祐幸助教授で、
5月末にイラクのバクダッドや南部の都市バスラなどに行き、
高性能の放射線検知器「ヨウ化ナトリウム・シンチレーター」を使って、
劣化ウラン弾の調査に行った。文春にも出ている。

塾長の話によると、今月、日曜日の番組で、
テレビ朝日のサンデープロジェクトに出演し、
劣化ウラン弾の調査報告をするらしい。

■劣化ウラン研究会
http://www.jca.apc.org/DUCJ/index-j.html

前回の湾岸戦争では、劣化ウラン弾が320トン使われたとされ、
放射能原子の量は、広島の原爆の1万倍以上だそうだ。
そして、今回のイラク戦争ではそれを上回る
500トンの劣化ウラン弾が使用されたという説がある。

広島原爆の1万倍以上の放射能原子が、前回と今回で2回も
イラクに撃ち込まれた。
劣化ウラン弾に使われたウラン238の半減期は
45億年で永久に放射線を出しつづけるといっていいだろう。

劣化ウラン弾は、その国の国民を殺し、環境を破壊し続け、
自国の原発のゴミを敵国に捨てる。
この劣化ウラン弾は核兵器を使うに等しい。
簡単に使われ、核のゴミを捨てられることを考えると、
ある意味、それ以上の最悪の兵器かもしれない。

ちなみに思うのは、
この劣化ウラン弾を作る過程でも
被曝している人がいるんじゃないか


さらに述べると、ウランの主な産地としては、
カナダ、オーストラリア、ニジェール、
ロシア、ナミビアなどがあり、
これらの国以外で、埋蔵量の多い国として、
南アフリカ、アメリカがある。

これらの国で、ウランを採掘している人たちは、
マイノリティ(社会的弱者)の人達であり、
アメリカでいえば、ネイティブアメリカ(インディアン)であり、
オーストラリアでいえば、アボリジニの人達であり、
南アフリカでは、黒人たちである。

こうした人達が、体をボロボロにしながら、
現在の原子力産業が成り立っており、
果ては、劣化ウラン弾となっていく。

日本でも、ウランが採掘されていた時があった。
鳥取県と岡山県の県境の人形峠付近で、
1955年にウランが発見されたが、
1957年から66年までの10年間で、
約1000人のウラン鉱山労働者のうち、
約70人が肺ガン死が避けられない結果が出た。
また、坑内労働者にしぼると、肺ガン発生率は
4人に一人となった。

現在は閉山しているが、
ウラン鉱山の一つ、鳥取県東郷町の方面地区では
ウラン残土が3000立方mも堆積しており、
その撤去を求めて、
核燃料サイクル開発機構と係争中である。

ウラン・原発関係は、まだネタがあるので
また取り上げたいと思う。

*参考図書
■環境と生命の危機(批評社)
■人形峠ウラン鉱害裁判(批評社)

(おまけ)
上記の本によると、ラドン温泉・ラジウム温泉も危険だ。
ラジウムを発見したキュリー夫人や娘のイレーヌも
放射線障害で命を落としている。

■竹田共生塾視察研修〜人形峠と東郷町方面地区〜
http://www.watervision.or.jp/takeda-kyousei-juku/gasshuku/kenshuu5-ningyoutouge.htm



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