松浦俊介Top「コラム」ダイジェスト>平成15年11月16日(日)

外務省暴露本



「さらば外務省!」という本を読んだ。

前駐レバノン特命全権大使の天木直人さんが
外務省のバカさ加減と無能ぶりを
具体的事例や実名を挙げて列挙している。
副題は〜私は小泉首相と売国官僚を許さない〜

天木さんは、今年の3月にイラク戦争が始まる直前に
「国連決議なしの対イラク攻撃は何があっても阻止すべきである」と
中東レバノンから小泉首相、福田官房長官と川口外務大臣に
意見具申をしたのだが、その電報は事務次官より先には
届けられることはなかった。

また、この電報は全ての在外公館にも転電したのだが
これらの行為によって天木さんは
外務省を8月にクビになる。

退職後、日本記者クラブでのインタビューで
彼は、自分がクビになった理由は、
巨人の原監督と同じようなものだと言っていた。

外務省の劣化・空洞化と天木さんは述べているが、
田中真紀子外務大臣のとき、
外務省のいろんな恥部が出てきた。

川口外務大臣になってそんな話は聞かなくなったが、
この本を読んで、出世と自己保身と公金を食いつぶす
外務官僚に絶望を感じ、アメリカ盲従主義の
外務省の姿勢に日本外交の危機感を感じずにいられない。

彼の怒りの矛先は、腐った外務官僚と小泉首相と自民党政治に
向けられている。官僚に頼りきった小泉さんでは
真の改革など出来ないといっている。

そして政権交代の重要性を訴えている。
半世紀に及ぶ自民党支配の政治システムが
官僚組織と政権政党を癒着させ、
官僚組織が国民の利益に背馳する権力者に
祭り上げられてしまったという。

政権交代によって、組織されることのない多数派である
一般市民が政治に影響力を与え、
こうした癒着を断ち切る。

変わるべき野党がだらしないのではない。
われわれが政治に対してだらしないのだと
天木さんはいう。

いままでこの日記で紹介してきた北朝鮮関連や
原発関連の本もそうだが、
私はこの手のバクロ本は大好きである。

人間何かを隠そうとするものに対しては、
余計知りたいと思うものである。

この本は、小泉総理に届かなかった天木さんの
声を今度は国民に対して訴えかけた具申書である。

■さらば外務省!天木直人 講談社1500円





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