松浦俊介Top「コラム」ダイジェスト>平成16年1月25日(日)

心臓血管手術を小中学生に公開・岡村記念病院



昨日の静岡新聞・夕刊に掲載されていた記事

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駿東郡清水町長沢の岡村記念病院(坂本泰三院長)が、院内で行われている心臓血管手術を学校教育の教材として公開する試みを始める。同病院は「人の命にかかわる心臓血管医療の現場を小・中学生のうちに見学してもらい、命の大切さを実感してほしい」と願い、周辺の小中学校に活用を呼びかけていく。

同病院は、狭心症や心筋梗塞の患者の血管バイパスや心臓の人工弁置換など年間百件以上の奨励の手術を手掛ける。5年ほど前からは手術の様子を映像記録化するとともに映像の中継設備を導入。医療スタッフや看護学校生の研修、希望する患者家族向けに実際の手術の中継映像や過去の手術を収録したビデオを公開し、手術の内容や経過の解説に役立てている。

手術を小・中学生にも公開する考えは、当初から病院内にあった。酒井万美子看護部長は「人の命をあやめる凶悪事件が多発、低年齢化する中、病院の立場で地域の学校教育現場に向けて命の大切さを訴えたかった」と話す。中学生以上の小学生、中学生を対象に定期的に院内の見学会を行い、手術の様子を公開している神奈川県葉山町の専門病院の事例を視察した経験も、その想いを一層強くさせた。

手術のライブ中継では、見学者は別室のスクリーンで、手術室の真上に取り付けたカメラが刻々とらえる心臓部への執刀風景を観察する。人工心肺装置を使った手術の場合、一度心臓を停止させた状態で行われるため、新しい血管をつないだり心臓に人工弁を取り付けた後で、再び心臓が動き始める貴重な瞬間も見ることができる。葉山町の病院では見学会への参加に際して、事前に手術の公開について十分説明し、保護者への同意を得た上で、子どもへの精神的な影響も考えて病院ボランティアが付き添うなど注意を払っている。

「手術を見学して感動を覚える人は多い。拍動する心臓、再生シーンを見て命の神秘性を感じてほしい」と酒井看護部長。「命を助けるために頑張っている病院スタッフの仕事ぶり、患者とのかかわり方も見てもらうことで、職業学習にもつながれば」と期待する。一方で県内の教育関係者は「手術の公開でかえって子どもにショックを与えないよう、担当教諭や学校医、病院側が連携し、学習の中身を精査した上で、慎重に取り組まなければならない」とも指摘する。



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