松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」>平成16年10月15日(金)

2市3町の資料分析(地区懇談会)



市町村合併地区懇談会が、今週の火曜日の
下徳倉の地区懇談会で全て終了した。

頂いた資料のデータを掲載してみる。

【2市3町】沼津市・三島市・函南町・長泉町・清水町
【2市2町】沼津市・三島市・函南町・清水町

   【2市3町】【2市2町】
○人口 426,764人 389,463人(平成15年3月31日現在、清水町31,144人)

○一人当たりの地方債残高 307,092人 315,644円

○一人当たりの財政調整基金残高 23,966円 20,078円

○財政力指数 0.949 0.922

○経常収支比率 76.5 75.8

○公債費比率 12.0 12.1

※長泉町は財政力が豊かなので長泉町が入る2市3町のほうが数字は良い。

◎合併による経費削減の効果等(平成14年度決算から試算)
        【2市3町】【2市2町】
○普通会計職員数 3,087人  2,804人
○削減可能数  約270人削減可 約220人削減可
○削減費用10年間で 約53億円  約43億円

○首長等特別職 約1.4億円/年 約1.0億円/年

○平成14年議員数 122人 101人
○議員法定数   46人  46人
○特例不適用議員削減効果 約1.3億円/年 約1.2億円/年

○重複事務削減効果(物件費) 約25億円/年 約16億円/年

○経費削減効果 計 約33億円/年 約22億円/年

※上記の削減効果の金額は、合併したときの人口と同規模の全国の都市と
 比較して算出したものだそうだ。
 私はてっきり、ひとつひとつ重複事務を挙げていって
 コスト計算したかと思った。 

合併にはいろんなパターンがあるが大きく二つに分ければ、
主に同じような規模の自治体による新設合併(対等合併)と
大きな都市が中心になって小さな町村と合併する編入合併(吸収合併)が
ある。

前者のパターンは、伊豆市や来年誕生の伊豆の国市といったところで、
後者は沼津市と戸田村の合併や天浜合併協の新浜松市といったところか。

対等合併の場合、難しくなるのは新市の名前や庁舎の位置か。
4月1日に誕生した御前崎市(御前崎町と浜岡町)みたいに自治体名と
庁舎の位置(浜岡町)をうまくわける方法で決めたり、
伊豆市のように全く新しい市名と庁舎の位置は
玄関口になる修善寺町と納得しやすい枠組みなら、
もめることもないが、この庁舎の位置と自治体名で
頓挫した合併協議会は全国的に珍しくない。

また、後者の大きな都市と小さな町の合併は、
財政力のある都市が、もう合併しないとやっていけないような町村を
呑み込むような編入合併はいいのだが、
小さい町のほうが財政的に豊かな場合、
対等合併だといってもうまくいかない。

13日の日記に書いた志太合併協は、大井川町が抜けてしまった。
大井川町は、藤枝市や焼津市、岡部町より財政的に豊かな町だ。
財政力指数は15年単年度で、

大井川町 1.198
藤枝市  0.787
焼津市  0.841
岡部町  0.523

大井川町は、藤枝市が学校の耐震化工事もせずに
サッカー場などの運動公園の整備をして
借金作っていることに不信感を持ち、
合併後、旧大井川町の税収で、
藤枝市の整備をされたらたまらんと離脱した。

当然といえば当然だろうな。
自分は立派な家と収入があるのにそれをやめて
耐震化もされていない家に住もうとは思わないな。
しかもそれでいて、パートナーがフェラーリとか高級車に乗っていたら
結婚する気も失せる。

こうしたケースは結構ある。
合併を考えるにあたって財政力というのは、
重要な問題である。

さて、2市3町の財政力をランキング形式で比較してみる。

○財政力指数(平成14年度)
 1位 長泉町 1.249
 2位 沼津市 1.003
 3位 清水町 0.865
 4位 三島市 0.853
 5位 函南町 0.750
  2市3町 0.949

○一人当たりの地方債残高(平成14年度 普通会計ベース)
 1位 沼津市 341,935円
 2位 三島市 298,206円
 3位 函南町 297,439円
 4位 清水町 224,874円
 5位 長泉町 217.799円
2市3町 307,092円

○一人当たりの財政調整基金残高(平成14年度)
 1位 長泉町 64,574円
 2位 函南町 53,884円
 3位 清水町 32,783円
 4位 沼津市 17,552円
 5位 三島市  9,523円
2市3町 20,078円

上記を比較すると収入も貯金も長泉町がトップ。
借金も一番少ない。
逆に貯金も少なく、借金も多いのは沼津市・三島市。

ただ、清水町も今後の財政状況は極めて厳しい。

○清水町の地方債残高(一人当たり)
 平成16年   259,689円
 平成20年推計 299,904円
 平成22年推計 308,349円
 平成25年推計 318,240円

○清水町の財政調整基金残高(一人当たり)
 平成16年   17,529円
 平成20年推計 4,656円
 平成22年推計   0円
 平成25年推計   0円

○清水町の財政状況(一般会計ベース 将来推計 単位百万円)
 平成20年推計 【歳入】7,650 【歳出】8,140 ▲490
 平成22年推計 【歳入】7,590 【歳出】8,180 ▲590
 平成25年推計 【歳入】7,520 【歳出】8,280 ▲760

となっている。
貯金は平成20年にはほとんど底をつき、
5億円の赤字とその後も赤字が増えていく。

つまり、5年後くらいまでには
清水町は収入を5億円くらい増やすか、
支出を5億円くらい減らさないといけない。

どこの自治体も収入を簡単に増やす方法はない。
だから支出を減らすしかないのだが、
その一番手っ取り早い方法?が合併だ。

だが、前述したように長泉町のように財政力のある自治体は
合併にあまり乗り気にならないのは当然。

じゃぁ、どうすればいいか?
とりあえず、どこの自治体も借金と支出を減らす行財政改革をし、
財政力のある自治体にできるだけ迷惑がかからないような
誠意ある努力をしなければならない。
清水町も5億円くらい支出を減らす努力をしないとダメだろう。

沼津市は10月24日に市長選挙がある。
この選挙の争点は、沼津駅の高架化事業である。

この事業は、1800億円のお金を使う事業だ。
静岡空港並みの事業だ。

私は、この沼津駅の高架化事業は見直すべきだと思う。
東海道沿線で新幹線が停まる駅でもないのに
こんなにお金をかけて高架化している駅なんてあるのか?

ちなみに沼津駅の1日の乗降客数は22,600人で三島駅は58,000人。
三島駅の方が倍以上多い。
ていうか、三島駅は静岡駅に次いで
県内で2番目に乗降客が多い駅だという。
富士駅だって、清水駅だって沼津市より人口多い都市にある
駅だけどたいしたことない。

沼津市は、清水町より一人当たりの借金が多い。
それでいてこんな2000億円の事業やられたら合併する気が失せる。

清水町が沼津市の借金返済に使われたら
かなわないと思っている町民は少なくない。

いや、清水町だけならまだしも、周辺自治体の
議員からも同じようなことを聞いた。

私はこの沼津駅の高架化問題が、2市3町の合併にも
少なからず影響があるように思う。



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