松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」>平成17年7月3日(日)

栃木県今市市視察広域都市づくり調査特別委員会)



6月28〜29日かけて「広域都市づくり調査特別委員会」で
栃木県今市市へ視察へ行く。

今市市は、周辺の日光市、足尾町、藤原町、栗山村と
合併することになり、来年の3月に新「日光市」が誕生する。

日光市は、言わずと知れた世界遺産都市。人口は17,000人。
足尾町は、日本の近代化のために多くの犠牲を払った銅山の町。
人口は、3,500人。
藤原町は、鬼怒川温泉で有名は観光都市。人口は11,000人。
栗山村は、平家落人伝説のある温泉と森林資源に恵まれた村。
人口は2,200人。
今市市は、県庁所在地の宇都宮市と日光市の間にある杉並木の続く都市。
人口は、63,000人。

この5つの市町村が合併する。併せて98,000人。
面積は、栃木県全体の23%となり、約1/4が日光市になる。
この5市町村は、以前から広域で事務処理を行うなど
つながりが深かったという。

さて、この5つの自治体の合併が多くの困難を乗り越えた
具体的な例を挙げていこうと思う。

○平成15年2月17日
 【「日光市、今市市、足尾町、栗山村、藤原町任意合併協議会」設置】

○平成15年6月10日
 【住民発議(今市市民)による合併協議会設置議案】

 日光市 可決(議長裁決で1票差)
 今市市 可決
 足尾町 可決
 栗山村 否決(賛成ゼロ)
 藤原町 可決

 →手続き終了

○平成15年6月17日
 【住民発議(日光市民)による足尾町との1対1の合併協議会設置議案】
 足尾町長は財政力が弱い者同士の合併はしないと議会付議せず

 →手続き終了

○平成15年7月18日
 【「日光市、今市市、足尾町、栗山村、藤原町任意合併協議会」】
 各自治体の足並みが揃わず

 →解散
 →同日5市町村で「日光地区合併推進協議会」設置

○平成15年7月22日
 【住民発議(足尾町民)による栗山村を除く2市2町での合併協議会設置議案】
  日光市長、今市市長、藤原町長は、5市町村の合併を基本とする考えから議会に付議せず
 
 →手続き終了

○平成15年9月9日
 【日光市が日光地区合併推進協議会から離脱】

 →解散

○平成15年10月1日
 【「今市市、足尾町、藤原町、栗山村合併協議会」設置】

○平成15年12月7日
 【日光市で合併について意思を問う住民投票】
 広域合併に賛成が有効投票数の65%となる

 →1市2町1村の合併協議会に日光市が参加へ
 →「日光地区合併協議会」となる

○平成16年11月25日
 【合併協定書調印式】

○平成16年11月28日
 【藤原町で合併に関する住民投票が行われる】
 合併に賛成が有効投票数の75%

 →藤原町の調印式後の住民投票に関係市町村に不快感を与える

○平成16年12月7日
 【5市町村議会で合併関連議案が上程】

 →日光市議会が否決(他議会は可決)

○平成17年1月6日
 【日光市議会で住民投票条例案が上程】

 →日光市議会が否決

○平成17年1月31日
 【再度、日光市長が住民投票条例案を議会に上程】

 →可決

○平成17年2月27日
 【日光市で2回目の住民投票】
 合併に賛成が有効投票数の74%

 →日光市議会で合併関連議案が可決(3月2日)

○平成17年3月25日
 【合併申請(配置分合申請)】

 →5市町村そろって栃木県庁を訪れ、知事に合併申請書を提出

以上が大まかな流れ。

3回の住民発議の手続き終了。
3回の住民投票の実施。
任意合併協議会の解散。
合併推進協議会の解散。
合併関連議案の否決
などなど、幾多の危機を乗り越え
首の皮一枚で合併申請までこぎ着けた。

平成17年1月6日の日光市議会では、
議会審議中に市長が倒れて救急車に運ばれて入院したり、
議長も気分が悪くなって帰宅するなど騒然とした議会になったそうだ。

この5市町村が合併した場合、今市市の人口が6割以上を占める。
この枠組みでの合併協議は、
日光市民の7割以上が広域合併を望む中、
合併後、今市市に主導権を握られることを危惧する日光市議会の
焦りと不安の連続と言ってもいいかもしれない。

合併後の議会は、旧行政区ごとの選挙区を設定することになったのだが、
人口比で行けば、今市市の選挙区が全定数の過半数になることは当然なのだが、
今市市議会以外から反発で半分未満にしたという。
ただ、最初の選挙だけという約束らしいけど。

合併は、大きな都市が小さな都市に譲らないとうまくいかない。
そうした中心都市が他の自治体の不安を解消させることができるかが、
合併協議をすすめることができるかどうかの分岐点だろう。

不安をあおる合併協議はありえない。
また合併は、住民大多数の合意形成ができていることが前提である。

私たち清水町は、住民発議による2市2町の合併協議会設置を
試みたわけだが、三島市議会の否決でボツになった。

日光地区に比べれば、まだ始まったばかり?

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