松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」>平成17年8月1日(月)

「岩手県滝沢村」「宮城県大河原町」視察(総務委員会)



総務委員会で行政改革をテーマに7月28日〜30日まで視察に
行ってきた。

最初に訪問したのは、宮城県大河原町だが、
まず、その後に訪問した岩手県滝沢村について書く。

6月議会終了後に木村委員長と事務局から視察先について
説明を受けた。

あんまりよく聞いてなかったし、
不勉強でこの二つの自治体についてはよく知らなかった。
視察前になって訪問先について両自治体のホームページを
見てみた。

滝沢村ホームページの議会のページを見たら、
何と22人も議員がいた。
「なんだこの村は?村なのに22人も議員がいるよ」
と驚き、
各課サイトを見たら何と総務部、経営企画部など8つの部を設置していた。
「なんだこの村は? 村なのに部制しいているよ」
とさらに驚いた。

よくよくトップページを見ると日本一人口の多い村と
出ている。
「いったい何人いるだ?」
と人口のリンクをクリックして驚愕。

6月末現在で52,810人と表示。
「ご・・ごまんにんの村ですか・・大変失礼しました(反省)」

調べてみたら、町村併せても全国で2番目くらい。
1位は愛知県三好町で5万4千人ほど。
5万人を超えている町村はごくわずか。

普通は、5万人を超えると町村は単独で市になれる。
(町村同士が合併した場合は3万人で市になれる。例:伊豆市・御前崎市)
ただし、5年に1度の国勢調査時に超えていないとダメなのだが、
この滝沢村は、5年前の国勢調査の平成12年2月に5万人を
超えている。

視察時に村長さんにその辺のことを聴いてみたが、
どうも市になる気なんてさらさらないらしい。

5万人の市になるより、5万人の村の方が全然インパクトがある。
村長さんの名刺には「人口日本一の村」と赤字で書いてある。

ちなみに裾野市とほぼ同じ人口。

それと部制についてだけど、普通、町村の行政組織は、
課までで、その上の部までおいているのは、
めったにない。

函南町が新庁舎移転に併せて部制を導入した。
市は、課の上に部があり、都道府県や政令市になると
さらにその上に局ができる。

県内で一番人口が多い町が函南町で39,000人。
村はなくなったけど、
旧戸田村4,100人
旧賀茂村3,500人
旧豊岡村11,500人
旧龍山村1,200人
です。

○町村人口ランキング
http://www.glin.jp/rnk/tvj.html

○岩手県滝沢村
http://www.vill.takizawa.iwate.jp/

滝沢村が目指す究極のテーマは、住民主体の地域経営である。現在の行政主体の自治体から行政主導→双方協力→住民主導→住民主体の自治体への転換をはかっていく。
 住民主体の自治とは、これからの地方分権時代の中で住民が自律した社会となり、行政は、その支援者となることである。
 だから滝沢村の改革とは住民の意識改革であり・パラダイムシフトである。行政改革というと、行政組織の改革や体質改善・スリム化などを思い浮かべるが、滝沢村の目指す最終目標は、住民の役場依存からの脱却であり、長い長い地味な活動による住民主体の新しい自治の確立にある。
 全国の多くの自治体において、これからの厳しい財政状況をどう克服していき、かつ住民の多種多様なニーズにどう応えていくことができるか、さまざまな検討がなされている。
 その一つの方策が合併ではあるが、村長は急場しのぎの理念なき合併はうまくいかないと説明した。
 合併して体を大きくし、重複する事務を効率的にまとめあげたとしても、住民が行政依存の体質である限り、今後おこりうる自治体の課題に対しては行政が対応していくことは明白であり、それはすなわちより多くのコストがかかることを意味する。結局はさらに都市化が進んで住民の地域の問題に対して自分たちで解決していく力を奪っていくかもしれない。

 阪神・淡路大震災を例に出すまでもなく、緊急時におけるコミュニティ力が人の生死をも分けてしまうこともあるだろう。それは、平時においても同じであり、日頃から地域の問題を住民で解決する力があれば、多種多様な住民ニーズにも対応できることもあるだろう。
 村長が盛んに訴えていたのは大切なのはコミュニティであり、そうしたコミュニティとの協働である。地域に存在する自治会やNPO、町づくり委員会や地元職員もが同じベクトルを向き、これからのさらに多様化していく社会の問題に協働して取り組もうとする姿勢である。
 当町においても自治会やNPO、まちづくり団体、ボランティア団体等存在するが、そうした団体の活動は、住民ニーズをカバーする一つの地域力であると思われる。そうした地域の課題やニーズに対応した諸団体、日々変化する住民ニーズに行政が対応できるシステムをうまく構築していく必要があるわけであるが、そうした観点から滝沢村の取組みは、今後の自治体経営のあるべき姿を示している。

滝沢村の取り組んでいる具体的な事例として、
以前取り上げた部制を導入している。

その代わりといっては何だが、
助役・収入役がいない。
両方いない自治体は全国でもほとんどないだろう。

それと、係制を廃止し、課長補佐制も廃止している。
課内で職員誰もが仕事を臨機応変にこなし、
複数の課や部にまたがる案件に関しては、
その都度プロジェクトチームを作っている。

住民ニーズの数だけプロジェクトチームがあるという。

また、平成16年度から新規課長昇任者を職員の投票で選考している。
この場合、人気投票になる恐れがあったり、村長の意志と合わない場合も
出てくると思うが、その場合は説明責任を果たし、
変更するケースも考えてのことらしいが、
今のところ、そのようなことはないという。

同じく平成16年度から「一職場一改善運動」なるものを設け、
各部署からエントリーされた各課の職員が
みんなの前でプレゼンテーションを行い、
最優秀賞など表彰を行っている。

大河原町は、周辺2町と合併に向けて協議を進めていたが、
今年の3月に土壇場になってご破算になってしまったという。

合併するつもりであったため、
財政調整基金という、いわば貯金が
それまで6億1千万円ほどあったのだが、
使ってしまわないと損だと言わんばかりに
平成17年度に4億5千万円ほど一気に使ってしまい、
1億6千万円しか残っていない。

このままいくと平成19年度には貯金を使い切っても
予算が組めない状況に陥るという。

現在、大河原町は、議員定数を20人から17人に削減したり、
職員の人件費の削減、外郭団体等への補助金をゼロベースで
考えたりしているという。

清水町の場合、平成16年度の当初予算で
各種団体への補助金が約1億円である。
(平成16年第2回定例会一般質問)
http://matsuura.fc2web.com/gikai2/shitsumon0406.htm

今年から1割カットしているから、
少なくなっているかもしれない。

大河原町の財政力指数は、0.51(平成15年)である。
滝沢村も0.51である。
大河原町も滝沢村も東北の町村の中では珍しく
人口が増加している自治体である。
大河原町の人口は、2万3千人。

財政力指数とは、数字が大きければ大きいほど
財政的に豊かであるということ。
財政力指数が「1」を超えると、
地方交付税(国からの仕送り)が交付されなくなる。
財政力指数が「1」未満の場合でも、
「1」に近いほど交付税の額は小さい。

大河原町も滝沢村も地方の町村の中では
財政力指数が比較的いいほうだろう。
財政力指数が0.5未満の自治体は地方では
ざらにある。

清水町は、平成16年度単年度で0.967。
視察に行った際、
大河原町の課長さんや滝沢村の村長さんが
清水町のこの数字を「たいへんうらやましい」と言っていた。

大河原町や滝沢村より先に財政的に行き詰まるわけにはいかない。


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