松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」平成18年4月30日(日)

兵庫県市川町
(広域都市づくり調査特別委員会・視察研修)



広域都市づくり調査特別委員会で4月26日(水)〜28日(金)まで
視察研修を行う。

最初に訪問した自治体は、兵庫県市川町。

姫路駅から播但線に乗って30分くらいの町で、
人口15,000人、面積83平方km。

市川町は、近隣の神崎町・大河内町との合併が成功せず、
単独への道を選んだ。

その過程は、まず、
2004年2月 神崎町と大河内町の法定合併協議会が設立
   10月 市川町がこの2町の合併協議へ参加を申し入れ

2005年1月 3町での法定合併協議会が設立。

そして1月10日から2月19日まで5回の合併協議会を行ったが、
2月20日に市川町と大河内町で住民投票が行われ、
大どんでん返しがおきた。

市川町は「神崎町、大河内町との合併(53.1%)」「合併しない(46.9%)」
という結果だったのに対し、
大河内町は
「神崎町との単独合併(55.6%)」
「神崎町と市川町との合併(26.3%)」
「合併しない(18.1%)」
という市川町との合併を否定する住民の判断が示された。

結果、翌月の3月に3町の合併協議会は解散した。
市川町は、単独町制継続を決め、
神崎町と大河内町は、もともとあった2町の合併協議会を再開し、
同2005年11月に神河町として合併した。

合併がうまくいかなかった要因を町長は、
「急速な合併話に住民がついていけなかった」
「大河内町と市川町は、身近な地域もあるが疎遠な地域が多い」
「市川町は下水道の普及が50%と社会資本整備が遅れている(他の2町は100%)」
などを上げた。

町長は、
「当町は、県からの指導もあり合併も考えたが、
結果的に合併はうまくいかなかった。
ただ、最初から合併ありきではなく、
他の町にぶらさがらなくとも
単独でやっていけると考えていた」
と答えた。

ちなみに市川町の
財政力指数は平成17年度末の数字で0.44(清水町0.970)
経常収支比率は90.3%。(清水町76.6%)

財政力指数は、その自治体の財政が
どれだけ地方交付税(国からの仕送り)に頼っているかがわかる。
1に近いほど財政力が豊かで
1を越えると不交付団体とよばれる。

経常収支比率は、
人件費、公債費など経常的な経費に、市税や地方交付税などを
中心とする経常的な一般財源収入が充当される割合を示す。

家庭で言えばエンゲル係数みたいなもの。
数字が低いほどお金の遣い方にゆとりがあり、
100%に近いほど、もういっぱいいっぱいということだ。

市川町は、子育て支援に力を入れている。
人口は清水町の半分だが、
保育所が町立が6ヶ所、私立が1ヶ所と倍の7ヶ所ある。
清水町は町立3ヶ所、私立が1ヶ所。

しかしながら、平成16年に国の三位一体改革で保育所への措置費がゼロとなり、
1億1千万円も収入減(一般会計が約40億円で清水町の約半分)。

こうした厳しい財政状況から徹底したコスト削減を行うと町長。
職員数は現在148名だが平成22年までの4年間で30人削減。
地域手当はゼロ(近隣ではある)。
定年前の58歳での退職を考える。
各種団体への補助金1/2カット。
などなど考え、実行しているようだ。

どれも清水町より厳しい話だが、
ひとつ清水町よりいい数字があった。
それはラスパレス指数。

ラスパレス指数は、国家公務員給与を100とした場合の給与水準。
市川町は、平成17年9月の数字で97.8。
清水町は、95.7

ほか参考までに
静岡県 102.2
静岡市 102.1
浜松市 101.4
富士市 101.3
伊東市 100.3
以上100以上県内自治体

沼津市 99.1
三島市 99.8
裾野市 99.3
長泉町 96.8
函南町 89.9
以上近隣自治体

県内市町村平均 96.5
県内町村平均  92.6
全国地方公共団体平均 98.0
全国町村平均 93.7 

町長は、
「今後住民に対していろいろ不安はあるだろうが、
より効果的な住民サービスを行えるように選択する。
職員に対しても、頑張っている者もいるが、
そうでない者もいるので今まで以上の仕事をしてもらう」
と答えた。

合併への流れの一つの狙いにコスト削減がある。
市川町の町長は、合併せずにコスト削減をするという。

ただ、この平成の大合併でほんとにコストが削減され、
住民サービスはよくなるのか?
合併しない自治体の方がコストが削減され、
住民サービスがよかったりしないか?

合併してサービスは高い方、負担は低い方へ併せて、
合併したことによる新規事業でかえって財政的に苦しくなったりしないか?

そんな心配をしてしまう、
市川町より目を覆いたくなる篠山市の話はまた今度。



上/市川町長さんの挨拶

下/研修の様子
私は正面左



(付記1)
市川町は、今回の視察研修で町長、助役、担当課長、議長、副議長、
常任委員長3人等、町の主要な皆さんが集まってくれお話ししてくれた。

視察へ行って町長があいさつをしてくれることはあっても、
最後まで対応してくれることはほとんどない。
私の今までの視察では、岩手県滝沢村の村長さんと
こないだの沖縄県伊是名村の村長さんだけ。

伊是名村は1泊したこともあり、村長さんが最後は港まで見送ってくれたが、
市川町の町長さんも研修後、役場の車で駅まで送ってもらう際、
見送りに来てくれた。
非常に心温まる研修だった。

(付記2)
市川町は国際交流にも力を入れており、平成14年にアメリカワシントン州の
ポートタウンゼント市と姉妹とし提携を結ぶ。
小学校3校、中学校3校あるが、ALT(外国人指導助手)2名を
それぞれ小学校3校へ1名、中学校3校へ1名派遣している。

(付記3)
市川町は、ゴルフクラブ発祥の地。
昭和5年に市川町の鍛冶屋さんがアイアンを完成させたという。

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