松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」平成18年7月25日(火)

清水町も不交付団体



清水町も今年度から不交付団体になるようである。

国からの仕送りである地方交付税には、
普通交付税と特別交付税がある。

普通交付税とは、
一般的な財政需要(日々の行政運営に必要な経費)に対する
財源不足額に見合いの額として算定され交付される。
交付税総額の94%が普通交付税。

特別交付税とは、
普通交付税で措置されない個別、
緊急の財政需要(地震、台風等自然災害による被害など)に対する
財源不足額に見合いの額として算定され交付される。
交付税総額の6%が特別交付税。

以上の
2つの交付税のうち、普通交付税をもらわない自治体を
不交付団体という。
日々の行政運営に必要な経費が自前で賄える裕福な自治体といえる。
財政力指数1.0以上の自治体である。

21日(金)22日(土)の日記で書いたが、
7月23日(日)の静岡新聞朝刊によると
不交付団体は全国で171団体で、
都道府県では、東京都に加え愛知県が不交付団体になった。

都道府県も入れると全国で1900近い自治体があると思うが、
うち不交付団体が171あるという。

これだけみれば清水町は、全国でも10%以内には入る
財政的にゆとりがある自治体といえる。
大相撲で言えば十両昇進といったところか?

全国171の不交付団体のうち
愛知県  36
神奈川県 22
東京都  16
千葉県  14
静岡県  13

九州7県で2つしか不交付団体がないのに、
愛知県だけで県も入れて36もある。
愛知県は市町村数が63(県を入れると自治体数は64)だから
半分以上不交付団体である。

静岡県は42市町だから1/3くらいが不交付団体。

清水町の過去10年間の町税と普通交付税の決算額は、

   町税    普通交付税 (単位:千円)
7年  4,340,024 310,843
8年  4,439,899 360,443
9年  4,773,504 453,931
10年 4,622,969 401,896
11年 4,580,192 720,983
12年 4,393,689 785,450
13年 4,443,827 756,112
14年 4,550,238 584,123
15年 4,507,393 181,014
16年 4,617,506 131,511
17年 4,807,457  31,762

である。

(つづく)

■2006/07/27 (木) 清水町も不交付団体(2)

25日(火)の日記に静岡県は不交付団体が13と書いた。

23日(日)の静岡新聞朝刊にそう出ていたのであるが、
26日(水)の静岡新聞朝刊には不交付団体は
5市5町と10団体になっていた。
数が減っている。
どうも間違ったようである。

平成18年度普通交付税決定額が県内全市町、
表になって掲載されているが不交付団体は、

熱海市、富士市、御殿場市、裾野市、湖西市、
清水町、長泉町、小山町、大井川町、吉田町

である。

では、多く見積もってしまった残りの3団体はどこかと考えると
まず、日曜日の新聞で見出しで「掛川市、清水町が移行」と出ていたが、
その掛川市、それと御前崎市と沼津市かな。

21日(金)の日記に書いたけど平成17年度単年度の
県内の財政力指数1.0以上の自治体が、
御前崎市が1.228で沼津市が1.018である。

掛川市は平成17年度交付団体であるが0.971である。

御前崎市は御前崎町と浜岡町が2004(平成16年)年4月1日に合併し、
沼津市が2005年(平成17年)4月1日に戸田村と合併。
掛川市は、2005年(平成17年)4月1日に、
掛川市、大東町、大須賀町の1市2町が合併した。

旧御前崎町は平成15年度単年度で財政力指数0.658、
旧浜岡町が同1.414。

沼津市が平成16年度単年度の財政力指数が1.034、
旧戸田村が0.438。

掛川市が同0.959、旧大東町0.729、旧大須賀町0.822である。

平成17年度末まで適用の旧合併特例法で、
合併しても向こう10年間は、
旧自治体分の地方交付税が担保されている。

だから御前崎市で考えれば
旧浜岡町がお金持ちの不交付団体だったので、
普通交付税をもらっていた旧御前崎町と合併しても
不交付団体としての財政力があるのだが、
向こう10年は旧御前崎町分の普通交付税を頂けるわけである。

この辺がちょっとややこしい。

財政力指数の計算は、基準財政収入額/基準財政需要額
である。

御前崎市も沼津市、掛川市も収入額が需要額を上回っていると
考えられるけど、合併した旧自治体が下回っているので
普通交付税をもらっている。

■2006/07/28 (金) 清水町も不交付団体(3)

下記、毎日新聞引用

*********

<地方交付税>総額5.9%減の約15兆円 06年度配分

 竹中平蔵総務相は25日午前の閣議で、自治体の財源不足を補う地方交付税の06年度の配分について報告した。災害発生時に対応する特別交付税分を除く普通交付税の総額は、前年度比5.9%減の14兆9527億円だった。交付税を受け取らなくても財政運営ができる「不交付団体」は、前年度比24増の171自治体となった。
 普通交付税の内訳は、道府県分が6.6%減の8兆4525億円で、市町村分が4.9%減の6兆5002億円。交付税総額に臨時財政対策債(赤字地方債)を合わせた「実質的な交付税額」も6.5%減の18兆8145億円になった。
 交付税減の要因には、国と地方の税財政の「三位一体の改革」による地方への税源移譲、景気を反映した地方税の増収などがあげられる。
 政府の「骨太方針06」は、人口20万人以上の市(112市)の半分を目標に不交付団体の増加を目指す方針を盛り込んだが、今年度は33市で前年度より10市増えた。
 総務省は人口と面積を算定方法の基本にした「新型交付税」を来年度から導入する方針で、来月中をめどに具体的な算定方法を決定する。【葛西大博】
(毎日新聞) - 7月25日13時33分更新

**********

清水町が不交付団体になったのはどうしてか?

まず、平成13年度から国の三位一体の改革で
段階的に普通交付税が減額されている。

国も国債発行して借金して地方に仕送りをしているわけであるが、
借金している分を地方にも負担してもらおうということになった。

その自治体の収入額が100億円で支出額が120億円であった場合、
20億円が足りないので本来ならば普通交付税で穴埋めしてくれた
のであるが、国もお金がないので、この足りない20億円分を
国と地方で折半しましょうということになった。

そこで20億円のうち10億円だけ普通交付税として国からもらい、
足りない分を地方は、臨時財政対策債という借金をして
賄うことになった。

清水町も3億6千万円の臨時財政対策債を
本年度予算で見積もっている。

つまり、三位一体改革で
普通交付税が半分に減らされていなければ
清水町も3億円くらいは、まだ普通交付税をもらえる
自治体であったのだが、
この減額によりどちらかというと
不交付団体になってしまったといったところか。

(まだつづく)

■2006/07/29 (土) 清水町も不交付団体(4)

普通交付税は、平成13年度から段階的に減らされている。

   減額率 普通交付税額
13年度 1/8 756,112(千円)
14年度 2/8 584,123
15年度 4/8 181,014
16年度 4/8 131,511
17年度 4/8  31,762

となっている。

清水町は平成16年度から普通交付税を
もらわないことを前提に予算を組んでいるので、
不交付団体になることは想定の範囲内である。

不交付団体になった理由は、
普通交付税の減額の他に町税の増収がある。

25日の日記に掲載したけど
平成13年度が44億円であったのが、
17年度では48億円と4億円近く増額になっている。

18年度では予算では46億円を見積もっているが、
17年度も予算では45億円と想定していたので、
個人町民税・法人町民税とも昨年以上の増収が見込まれる。

それ以外にも所得譲与税の増収がある。
三位一体の改革で、国から地方へ17年度から財源の移譲が行われた。

国税である所得税の収入のうち一部を地方に譲るもので、
17年度1億1000万円だったのが
今年度は2億4100万円を見込んでいる。

三位一体の改革は、普通交付税や使途が決められている
国庫支出金などが減額され、
所得税からの税源移譲で所得譲与税(来年度からは住民税)の増額となり、
差し引き20%ほどのマイナスとなる。

不交付団体になったというと清水町は裕福な自治体だと思われてしまうが、
平成12年度で8億近くあった普通交付税は、ついにゼロとなり、
13年度には歳入決算が93億円近くあったのが、
今年度予算は、74億6000万円である。

貯金である財政調整基金は12年度には14億4748万円あったのが、
17年度で5億4504万円まで減ってしまった。

借金である地方債も13年度で57億1488万円だったのが、
今年度末の見込額が78億5141万円である。

予算規模も貯金も減少し、
借金は増加している。

決して財政的に良くなっているわけではないのだ。
清水町は、ここ数年歳出削減に努力しているが、
多くの地方自治体は、清水町以上の努力をする必要に
迫られている。

ちなみに清水町が不交付団体になったのは今回で初めてではない。
昭和40年、61年、平成元年、2年に経験しているという。

なんかまとまりがないけどこれでおしまい。
財政関連は、わかりにくくて難しいけど
また掘り下げていきます。

Copyright(C) Matsuura Shunsuke. All Rights Reserved.

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送