松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」平成18年11月8日(水)

議員定数



清水町議会の議員定数は、18である。

現在は、欠員2名なので、16名である。

区長会や商工会から議員定数削減の要望が出され、
議会でも定数問題も含め議会費全般の調査・研究するため、
議員定数等調査特別委員会が6月議会で設置された。

私は、この委員会のメンバーではないが、
自分としてもこの問題について、
考えをまとめていこうと思う。

選挙が来年の4月であることを考えれば、
議会としても12月の定例会で答えをだす方向になるだろう。

さて、現在の定数は18であることは述べたが、
前回の選挙で20から2つ削減した。
前回のときもそうした町民からの声を聞き、
定数を削減したときいているが、
まだまだ足りないということだろうか。

さて、国会議員も、都道府県議会議員も市町村議会議員も
「減らせ、減らせ」の議論はあっても、
「増やすべきだ」の意見は少数である。

市町村議会議員の定数は、地方自治法91条1項で決まっている。

 人口段階          法定上限数 (平成15.1.1から)
○2000未満の町村        12
○2000以上5000未満の町村    14
○5000人以上1万未満の町村   18
○1万以上2万未満の町村     22
○5万未満の市及び2万以上の町村 26   
○5万以上10万未満の市      30   
○10万以上20万未満の市     34
○20万以上30万未満の市     38   
○30万以上50万未満の市 10万を加えるごとに4人増し 46   
○50万以上90万未満の市      56
○90万以上の市    50万を超える数が40万を増すごとに8人を56人に加えた数(96人が上限)

となっていて、清水町の場合、26人まで議員がいても問題ない。

しかしながら、 
議員定数は条例によって減少させることができる。
(地方自治法91条2項)

多くの議会で「経費の節減」、「議会運営の効率化」などを理由として、
減数条例が制定されている。

現在の法定上限数は26だが、平成15年の改正前は30だった。

静岡県内で一番人口の多い町で3万9千人の函南町が定数20である。
日本一人口の多い村、町を含めて2番目に多い5万3千人の
岩手県滝沢村でさえ22人である。

これだけ議員削減が叫ばれている中で、
国が定める上限数は、実態の数よりかなり緩やかである。

(つづく)

■2006/11/19 (日) 議員定数(2)

議員定数等調査特別委員会は、
これまで8回の委員会を開催している。

その中で10月30日に行われた
第7回で各種団体から議員定数について参考人意見陳述が
行われた。

議員削減の要望書を出した「区長会」2名、「清水町商工会」2名。
議員削減反対の要望書を出した「新日本婦人の会」2名。
その他の町内各種団体から、
「南駿農業協同組合」2名、「NPO法人清水町体育協会」2名、
「清水町女性連絡会」2名、「NPO法人清水町文化協会」2名、
以上12名である。

12名中、削減派は10名である。
「新日本婦人会」の方達以外は、全て削減である。

数字に関しては、出来るだけ削減から2減の16まである。
商工会は、要望書の中で14名にすべきとしている。

削減の理由についてを上げてみる。

○議員一人当りの人口が長泉町より少ない。(長泉町は定数16)
 他、周辺市町も削減の方向。
○清水町は、県下一面積が小さい。人口密度も高い。(県下一)
○行財政改革を進めていく中で議員自ら範を示すべき。
○無駄を省き、その一環として定数削減
○少数精鋭、やる気のある人だけ、より素晴らしい議員にやってもらいたい。

といったところかな。

次に議員削減反対の要望書を出した「新日本婦人の会」の理由

○女性の声や若い人の声も議会へ届くように、
 いろんな階層の人が議員になれる機会を減らすべきではない。
○できるだけ住民の声を町政に反映させるため。
○談合、プール金問題などあり、チェック機能の重要性。

といったところである。

(さらにつづく)

■2006/11/20 (月) 議員定数(3)

各種団体の議員削減理由の一つに清水町は、
静岡県一小さい町だというのがある。

県下には19の町があるが、
さまざまな数字(17.7.1現在)をもとに近隣町と比較する。

     人口  定数 面積 人口密度 
○函南町 38,812 20  65.13  596
○長泉町 38,465 16  26.51 1,451
○小山町 21.319 18  136.13  157
○清水町 31.483 18   8.84 3,561

議員一人当り人口 財政力指数
○函南町 1,941       76.4
○長泉町 2,404       129.8
○小山町 1,184       104.3
○清水町 1,749       99.0

住民一人当り議会費 住民一人当り議員手当
○函南町 3,525        4,013
○長泉町 3,903        2,507
○小山町 5,261        3,233
○清水町 3,736        2,353

清水町は、たしかに県下一面積の小さな自治体だ。
同じ定数でありながら小山町の1/15しかない。

まぁ、小山町は、富士山もあるわけだけど、
可住地面積というので比較してみても
清水町が7.94平方kmに対して、44.12平方kmと
1/5以下である。

(まだつづく)

■2006/11/25 (土) 議員定数(4)【議員】

議員削減への主な理由の一つに経費削減がある。

商工会は、その要望書の中で
http://matsuura.fc2web.com/gikai/060704.htm

***********

清水町では議員一人に係る年間経費は諸々含め約550万円と聞いております。もちろんこの財源は私たちの税金です。1期4年では実に2200万円です。
(中略)
清水町人口3万2千から割り出す適正な議員数は14人が妥当(別添資料参照)ではないかと思います。4人減になれば1期4年で約8800万円削減出来るわけです

***********

と述べている。
では、自分で議員一人当りの年間経費はどうなのか内訳を考える。

○月額報酬 245,000円×12=2,940,000円
○期末手当 1,102,500円
○費用弁償 1500円(1日)×33回=49,500円
○共済掛金 27,500円×12=330,000円
○県町村議会議員共済事務費 18,500円
○政務調査費 150,000円
○常任委員会視察研修費(2泊3日) 80,000円
○FAXリース代 24,960円

◎合計4,695,460円

私の計算では、約470万円である。
視察研修費が常任委員会分しか入っていないが、
私の場合、これに2つの特別委員会に入っているけど、
特別委員会は1泊分なので併せて8万円である。

まぁ、ヒラ議員ならいっても480万円くらいだろう。

FAXリース代というのがあるが、
議会事務局等の連絡は、FAXで来ることが多いので
機器をリースしてくれるのだが、
私は自分のFAXを使っているのでFAXリース代はかかっていない。
使っている議員も半分くらいだろう。

私の試算だと商工会の数字と一人頭70万円くらい差があるけど、
何か抜けているだろうか?

ちなみに商工会の要望書には、4人削減の14人にする根拠として
近隣市町の人口、特に当町より多い長泉町が21人から16人に減らしたのを
上げているが、長泉町の議員報酬は、月額26万円である。

当町より15,000円多い。期末手当も含めれば年間20万円以上だろう。
議員報酬も長泉町なみにした方がいいのだろうか?

あと函南町も当町より5,000円多くて25万円。
小山町が5,000円少なくて24万円である。

沼津市の議員は、月額50万円。
三島市は、41万円である。

それと、議員報酬は、そのまま丸々入ってくるわけではありません。
http://matsuura.fc2web.com/gikai/030515.htm(参照)

(まだまだつづく)

■2006/12/18 (月) 議員定数(5)(6)

議員定数等調査特別委員会の報告書から最後の結果の部分を掲載

**************************

6.結果

 議員定数については、町内各種団体からの貴重なご意見を拝聴するなど、
様々な角度から議論を重ねた結果、「現状を維持すべし」と「削減すべし」
の2案に分かれた。

 それぞれの案に対する主な理由について記す。
《現状を維持すべし》
・清水町の置かれている状況を考えると、むしろやらなければならないことが
 多い中、行政の監視役でもある議員を削減して、はたして町が良い方向へ向
 かうのかという疑問がある。今、まさに清水町は厳しい状況を迎えており、
 現行の議員数を維持し、精一杯その職責を果たしていくことが責務である。
 また、予算の面から単純に議員数を減らすということは、議会としての機能
 を低下させる危険性がある。

・定数を削減することによって、議員の質の向上が図られるかというと疑問で
 ある。むしろ議員個々の問題であり、定数削減との相関関係はない。定数削
 減によって間口が狭まり、女性や若年層の立候補の機会を奪うことになるな
 ど悪影響がある。

・現行の議員定数、18人を削減すると、議会構成に支障を来たし、結果として
 十分な審査ができないという側面がある。特に常任委員会にあっては、現状
 の3常任委委員会がある限り、1常任委員会につき最低6人(採決は奇数とす
 るのが原則である)で組織すべきである。

・現行の議員定数、18人をされに減らすことは、議員による民意の反映の機会
 を少なくすることであり、より開かれた民主的議会運営に逆行するものであ
 る。

《削減すべし》
・全国的にも定数削減の流れがある中、将来の合併を視野に入れると、ある程
 度の削減はやむを得ない。

・現在の18人の議員定数は、ある意味では、多様化・複雑化する住民の価値観、
 意見を吸い上げるうえで大きな手段となっている。しかしながら、多くの町
 民のご意見などからも、ある程度の定数削減はやむを得ない。

・議員定数は18人から、現在2人が欠員となり、結果16人で実際に議会活動
 がなされているが、何ら支障はでていない。よって最低でも2人の削減は可
 能である。

・より一層の地方分権が進み、議会の役割と責任は今後も大きくなる中、首長
 とのバランスを取るために一定の議員数は確保すべきだ。しかし、町民感情
 や現在の社会情勢などを考えると、議会だけが「聖域」として現状維持は主
 張できない。

・議員定数と資質向上との因果関係はないとの主張する声があるが、議員自ら
 が緊張した環境にあることが、結果として資質向上に繋がる。

※以上のような、それぞれの意見に対する討論を経た後、平成18年11月6日開
 催の第8回特別委員会において、まずは大別して「現状を維持すべし」なのか、
 それとも「削減すべし」なのか、委員全員から意見を聴取したところ、「削減す
 べし」という意見が多数を占めた。

※続いて、平成18年11月20日開催の第9回、平成19年12月6日開催の第10
 回特別委員会では、具体的な定数の数値について意見を聴取し、議論を重ねた
 結果、最終的に2人削減の16人という意見が多数を占めた。

 よって本特別委員会は、平成19年1月1日以後に執行される一般選挙から、清
 水町議会議員の定数について、現行の18から2人を減員して16人とするこ
 とと決した。

以上、報告する。

    議員定数等調査特別委員会 委員長  名倉 勉
                      副委員長 木村寛夫
                       委員   鈴木 耕
                       〃    山本博保
                       〃    森野善広
                       〃    藤井道夫
                       〃    吉田 功
                       〃    遠藤忠宏
                       〃    岩崎高雄

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となって13日の12月議会最終日に定数16に決まった。

(もうちょっと続く)

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