松浦俊介Top「議員活動・議会・町政報告」平成18年11月12日(日)

長野県辰野町・坂城町(総務委員会視察研修)



遅くなってしまったけど、先月の総務委員会の視察について書く。
10月18日に長野県辰野町へ行った。

辰野町は、伊那盆地の最北端に位置し、日本列島のほぼ中心にあたる。
人口は、今年の7月1日現在で21,976人、
面積は169.02平方km南部を除き三方山に囲まれ、
総面積の85%が森林である。

辰野町では「町税滞納者に対する行政サービスの制限」について、
話をきくことができた。
近年、全国的にこうした制度を導入している自治体が増えている。市町村にとって収納率向上は至上命題である。

辰野町の滞納納税者に対する行政サービスの制限は、27項目あり、
具体的には、「町有地の貸し付け」「入札参加・指名・契約」
「人間ドック等受信補助」「難病疾患福祉手当」「町制度資金融資あっせん」
「町営住宅入居」などである。

辰野町の財政状況をみると、平成18年度実質公債費比率は24.2%、財政力指数は平成17年度で0.499と恵まれた自治体とはいえない。

辰野町の収納率については、平成17年度が94.1%で長野県81市町村中、
2/3くらいの位置だそうだ。清水町が91.7%である。
長野県では100%の村もあるという。

辰野町の5年前の数値が93.4%で0.7ポイントの上昇であるが、
この上昇分の中でどの程度の効果があったかは不明だという。

滞納者に対する行政サービス制限の中で実際効果があったものとしては、
「入札参加・指名・契約」に関して1件、
「町制度資金融資あっせん」が1件などである。

全国的な広がりをみせている割には、
カンフル剤的な効果が出ているわけではないようである。

こうした条例を反対する意見としては、
「滞納対策と行政サービス制限を結び付けることで、
社会的弱者が切り捨てられる危険性がある」
「行政の効率化を目指している最中にあって、事務の複雑さを増大させるのみ」
「従来、税収納とは無関係な課までが納税確認作業に付き合わされることになる」
「納税は義務であり、納めない人がいることを前提としたら
自治は成り立たなくなってしまう」などがである。

職員が多くの時間と労力をかけて整備しても、
それに見合うだけの成果がでなければ、
たしかに事務が繁雑になるだけでおわるかもしれない。

辰野町の収納率状況をみると、
この制度をそのまますぐに当町に当てはめて実行し、
それを収納率向上の柱にするには、
まだまだ、時間と研究の余地があるかもしれない。

しかしながら、昔なら、町に世話になっているからと、
払っていただいた町税も、今は、払ってもらえない。

人口の流出入の多い、都市化した清水町にあって
地域社会での関係も以前のようにはなく、
社会的モラルに欠如した町民も増えてきている。

納税が、国民の義務であるという認識が薄れていく中で、
行政サービスの制限は、収納率向上のための効果を狙うためだけのものではなく、
そうした意識を町民に啓発する意味でも効果はあるように思う。

その他、辰野町では、滞納者の氏名、
住所の公表についても条例で定めているが、
公表は本人の同意を必要としており、
公表によりその方が損害を受けた場合、
民事上の責任が生じる恐れがあるので、1件も例がなく、
先進的に取り組んだ小田原市でも同様だという。


10月19日は、長野県坂城町へ視察研修を行う。
テーマは、「自律する個性あるまちづくりについて」である。

坂城町は、人口は、16,481人、面積は53.64平方kmで、
長野県の上田市を中心とする東信地域と、
長野市を中心とする北信地域の接点に位置する。

行政関係は、長野広域連合を構成するなど北信地域に属する一方で、
上田地域広域連合にも参加し、両連合の結節点である。

こうした、長野市と上田市の中間で両都市の影響を受けてきた坂城町は、
周辺自治体の合併が進む中で、
合併せず独立したまちづくりをしていく道を選んだ。
どちらか一方に組みする合併はできないとう町長の判断からだった。
清水町と何か似ている。

坂城町の平成17年度財政状況を見ると、
財政力指数0.714、経常収支比率が79.5%、実質公債費比率14.8%である。

平成16年度決算の市町村財政比較分析表という資料をいただく。
人口及び産業構造等により全国の市町村を88のグループに分類し、
同じグループに属する自治体と比較した資料である。

坂城町は、平成16年度決算での財政力指数が0.69である。

財政力指数とは、数字が大きければ大きいほど財政的に豊かであるということ。
財政力指数が「1」を超えると、地方交付税(国からの仕送り)が交付されなくなる。

資料によると類似団体の平均値は0.53である。
67団体中13番目と同じような自治体よりいい方である。
ちなみに類似団体の最小値は0.18で最高値は1.54である。

同じような産業構造で人口も16000人ぐらいの自治体の中で
財政力指数0.18とどん底ビンボー自治体もあれば、
1.54と左うちわ状態のところもあるのか!

経常収支比率は、家庭でいえばエンゲル係数みたいなもので、
普通会計に占める人件費や公債費など必ず必要となる経費の占める割合である。

少ないほど財政に弾力性があり、自由に使えるお金があるということである。

坂城町の平成16年度決算の経常収支比率は、
78.6%で平均値86.8%よりいい。67団体中7番目である。
ちなみに類似団体最小値が105.9%で最大値が67.2%である。
清水町は76.6%である。

坂城町は、長野市と上田市の間に位置する小さな町だが、
全国の同程度の自治体の中では財政的に頑張っている自治体である。

この坂城町が「自律する個性あるまちづくりについて」
どのように取り組んでいくかであるが、
平成15年度を行財政改革の初年度と位置づけて
平成20年度を第一次の目標とする「坂城町行財政改革推進計画」を策定した。

行財政改革の目指すところは、単に行財政のスリム化、
効率化のみを追求するのではなく、
行政のあり方そのものを社会・経済の変化や住民のニーズに即したものに
変えていくことにある。

改革で、歳出削減に努めつつ、町民へのサービス低下にならないように、
サービス向上を目指して、町民との協働を図る。

具体的な取組みとしては、9テーマあり、

1.町民サービスの向上
   1)フレックスタイム制の施行
   2)利用しやすい窓口への改善
   3)接遇態度の向上
   4)町民と役場を結ぶポストの設置
   5)行政資料コーナーの整備
   6)広報の充実簡素化

2.町民との協働によるまちづくり
   1)自律のまちづくりGOGO機構
   2)Aコミュニティの活性化
   3)B審議会の見直し

3.事務・事業の再編・整理、廃止・統合
   ○行政評価の仕組みの構築

4.民間委託の推進
   ○指定管理者制度など外部委託の推進

5.定員管理の適正化
   ○職員定数の削減

6.給与等の適正化
   1)旅費の改定
   2)議員報酬、特別職給与、管理職手当の減額
   3)議員の審議会委員報酬等の見直し
   4)特殊勤務手当等についての見直し

7.第三セクターのチェック機能の強化
   ○さらなるチェック機能の強化

8.経費削減効等の財政効果
 (1)歳出の抑制
   1)各課配分型予算編成の導入
   2)町単独補助金の削減
   3)負担金の削減
   4)人件費支出の抑制
   5)庁舎管理経費等の削減
   6)公有財産の効率的な利活用
 (2)歳入の確保
   1)税収等の確保
   2)受益者負担の適正化

9.人事管理の適正化
   1)研修の充実
   2)意欲の増進
   3)目標管理制度の導入検討
   4)超過勤務の縮減
   5)早期希望退職への支援策の検討

と、以上である。

より住民ニーズにあったサービスを目指す一方、
厳しい歳出削減と歳入の確保を目指している。
住民生活の向上のためには、さまざまな団体への補助金・負担金は削減され、
各種施設の使用料や手数料、循環バスの運賃、各種教室など受講料のアップも行う。

特別職・職員の人件費も削減、庁舎管理経費・事務経費の削減も行う。

こした取組みは、坂城町が合併をしなかったから、
やらなければならなくなった取組みだろうか。

坂城町は、同規模程度の自治体の中では、優良な自治体である。
にもかかわらず、さらなる努力を続けている。

仮に、上田市や長野市へ合併していたら、
このような取組みをしなくてもよかったのだろうか?

パイが大きくなって、逆に作らんでもいいものを作ってしまい、
財政的に厳しくなった篠山市も見てきたけど、大きくなろうが、
そのままでいようが、切りつめなければいけないところはやらなきゃならないし、
改革しなければならんところは、やらんといけないだろう。

清水町も2月に行政改革大綱~町民とともに進めるまちづくり~
というものを作った。

同じようなことも目標にしているが、
坂城町の方が厳しく取り組んでいるところが多いように思える。

坂城町の町長さんは、最後まで私たちの研修に対応してくれた。
町長自身が改革の意欲に富んだ方だった。

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