松浦俊介Top一般質問全文>平成20年第1回定例会(3月議会)

「1 広域合併の枠組みについて」
「2 自殺対策基本法について」
「3 子ども図書館の取り組みについて」



○議長(吉田 功君) これをもちまして、木村君の一般質問を終わります。

  次に、9番 松浦俊介君の一般質問に入ります。

  質問事項、「1 広域合併の枠組みについて」「2 自殺対策基本法について」「3 子ども図書館の取り組みについて」。

  発言を許します。 9番 松浦俊介君。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) それでは、議長の許可を得ましたので、さきに通告してあります1、広域合併の枠組みについて、2、自殺対策基本法について、3、子ども図書館の取り組みについての3点について質問いたします。

  まず、表題1の広域合併の枠組みについてをお尋ねいたします。

  東部広域都市づくり研究会解散から今日までの合併問題に関する近隣自治体首長の発言を、新聞記事を引用しながら確認していきます。7つほどありまして多いですけれども、全体像をつかむため重要なことですので、よろしくお願いいたします。

  まず、1つ目ですが、静岡新聞2月9日、「県東部広域圏が解散、新たな合併が発足か。平成25年をめどに、政令市の実現を目指してきた県東部5市4町(沼津、三島、裾野、御殿場、伊豆の国市、函南、長泉、清水、小山町)の首長、議長でつくる東部広域都市づくり研究会(会長・斎藤衛沼津市長)は、8日、沼津市内で会合を開き、政令市実現までのプロセスに一致を見出せなかったとして解散を決めた。行き詰まりを見せていた県東部の合併は、研究会の解散により新たな枠組みによる合併が加速するとの見方が出ている。

  研究会は、平成1111月に発足し、平成15年6月、10年後をめどに政令市を目指すことで合意していた。同日、沼津市内で開いた会合で、斎藤市長は、会の存続がかえって合併推進の足かせになっていると解散を提言した。途中で研究会に加わった長田開蔵御殿場市長、高橋宏小山町長らは、広域行政を進める趣旨で参加した。合併だけの会ではないはず。小池政臣三島市長は、事務事業の広域化では具体的成果を上げてきた。広域連携を進める上で話し合いの場は必要などと、解散に反対する姿勢を示したが、斎藤市長が、最後にできるところから合併していった方が政令市の実現は早いと述べると、特に異論は出なかった。

  広域連携推進については、5市4町を含む12市町で構成する駿豆地区広域市町村圏協議会を活用してほしいと呼びかけた。斎藤市長は、解散後東部の合併が後退したのではない。むしろ早まるはずと強調し、沼津市としては今後は県が提示した3市3町を基本に働きかけを進めていくと話した」。

  続きまして、2月19日の静岡新聞で、「東部広域合併枠組みで、裾野市長、新3市3町イメージ示す。裾野市の大橋俊二市長は、18日、当初予算案の発表会見で、東部合併の新たな枠組み、新3市3町のイメージを示した。県が提示した3市3町(沼津、三島、裾野、長泉、函南、清水)の中から、三島と御殿場、函南と小山町をそれぞれ入れ替えた枠組み。東部広域都市づくり研究会の解散時、斎藤衛沼津市長は、県が提示した3市3町を基本に働きかけていきたいと考えを示したが、大橋市長は、沼津市と三島市で合併の進め方の考え方が違う。前の枠組みでは意味がないと述べた。背景には、長男と次男の沼津と三島の間の溝が埋まらず、両市がスクラムを組んでの合併が無理だということを改めてアピールし、東富士演習場を通じたつながりの強い裾野、御殿場、小山の2市1町の枠組みを県も考慮すべきとの思いを込めた発言ではないかとの見方が出ている」。

  続きまして、2月20日毎日新聞。「市町村合併、御殿場市長、長泉を加え特例市に。2市2町の合併に意欲。県東部の合併問題を議論してきた東部広域都市づくり研究会の解散を受け、御殿場市の長田開蔵市長は、19日の定例会見で、今後について2市1町、御殿場、裾野、小山と長泉町を加えた枠組みで、特例市人口20万人を目指すと述べた従来どおりの近隣市町との合併を進めていく考えを示唆した。2市1町は、特例市を目指して既に事務レベルの会合を開催しており、8年秋には、この枠組みで合併を問う住民意識調査を実施する予定だ。長田市長は、2市1町に長泉を加えれば人口20万人近く、道州制導入を見据えて、まず特例市を目指したいと、2市2町の枠組みに意欲を示した。

  一方、沼津市との合併については、可能性は否定しないとしながらも、昨年実施の同市住民調査で、沼津市などとの合併を希望したのは約4%だった結果を挙げ、沼津との合併は時間がかかるとの見解を示した」。

  続いて、2月23日静岡新聞。「県の3市3町固執せず、議会で沼津市長。沼津市の斎藤衛市長は、22日の市議会定例会で、東部広域都市づくり研究会の解散を受けた今後の合併の取り組みについて、県が示した3市3町(沼津、三島、裾野、函南、長泉、清水)には固執しないとの考えを示した真野彰一氏(フォーラム21)と伊藤正彦氏(自民)の質問に答えた。斎藤市長は、基本は3市3町と述べたものの、あくまでも基本。それぞれに事情があり、この組み合わせに固執しないと強調した。裾野市の大橋俊二市長が提示した新3市3町(沼津、裾野、御殿場、長泉、清水、小山)の枠組みに関して伊藤氏から、JR御殿場線、国道246号でつながっている。うまくいく可能性があるのではと見解を求められると、斎藤市長は再び、県の3市3町には固執すべきではないと答えるにとどまった。

  研究会を解散した理由は、研究会の枠(5市4町)にとらわれない議論を進めた方が、合併が加速すると説明し、早期の広域合併を望む声は経済界から届いている。スピード感を持って邁進したいと決意を語った」。

  続いて、2月29日静岡新聞。「東部合併伊豆箱根鉄道沿線の枠組み、三島市長が有力視。三島市の小池政臣市長は、28日議会2月定例会で、伊豆箱根鉄道沿線という合併の枠組みについて、非常に有力視してもいい1つの大きな選択肢となり得ると前向きな姿勢を見せた。沿線の三島、函南、伊豆の国市という2市1町の構想を示した秋津光生氏(公明)の代表質問の答弁で、東部広域都市づくり研究会の解散を持論である政令市構想域にいくということが挫折とも述べた。秋津氏は、2市1町の合併により人口が20万人を超え、沼津市とも対等になると持論を展開した。

  これに対し、小池市長は、新聞で知ったという御殿場線沿線の合併を考える動きと重ねる形で、伊豆箱根鉄道沿線合併を有力視し、歴史、文化も一緒で、源頼朝の時代に三島大社の夏祭りを韮山でやっていたという記述もある。伊豆ナンバーでも一緒になったし、伊豆は1つということからも、1つの大きな選択肢と答えた」。

  続いて、3月1日静岡新聞。「まず伊豆の連携強化、東部合併、三島市長が方針。三島市の小池政臣市長は、29日の定例会見で合併について、まず伊豆地区の連携を強めた上で駿東地区にも働きかけて一気に政令市を目指す方針を述べた。政令市実現の時期は10年後をめどとし、その根拠を、道州制の導入は早くても10年後、まだ紆余曲折があると説明した。さらに、東部広域都市づくり研究会の解散後、近隣の首長の間に合併構想から三島市を外す空気があることについて、小池市長は、不安は全くない。三島は三島らしさを強調した地方の時代にふさわしいまちづくりをやってきた。専門紙の全国ランキングでも高く評価されている。ほかの自治体が三島と合併したいと思うようなまちづくりを進めてきた。三島市は自信を持っていると力を込めた。

  例年実施している市民意識調査をことし初めに実施し、合併についての具体的な枠組みを示していく意向を示した。調査は4月にも実施する予定」。

  最後に、3月4日静岡新聞。「遠藤日出夫長泉町長は、施政方針で県東部の合併問題について、国では道州制の議論の中で、人口30万人から40万人の規模の基礎自治体を形成させようとしていると聞く。町の将来についても最もよい選択ができるよう町民の声を聞きながら検討していきたいと述べた」。

  以上が、東部広域都市づくり研究会の解散後の近隣自治体首長の合併問題に関する発言であります。当町は、これまで人口30万人以上となる中核市の実現を目指し、沼津市との中核市推進協議会や平成16年から17年にかけて、町民6,133人の署名による2市2町の住民発議など取り組んでまいりましたが、実現しませんでした。これから訪れるであろう道州制の中で、地域間競争を勝ち抜いていくためには、県東部にまず中核市を誕生させ、道路や都市計画など広域的な一体的なまちづくりをしていき、高次機能を有した存在感のある魅力あるまちづくりを示していかなければなりません。

  県内の静岡市や浜松市、日本の中でのこの地域、さらには外国人観光客等を意識した世界の中の県東部の発展を議論していくことが必要だと思われます。

  次に、道州制に向けた動きを紹介いたします。3月4日の毎日新聞ですが、「道州制ビジョン懇が中間報告案2018年をめどに移行。現行の都道府県にかえて、全国を数ブロックに再編する道州制のあり方を検討している政府の道州制ビジョン懇談会、江口克彦座長は、4日、2018年をめどに道州制に移行するなどとした中間報告案(座長私案)を委員に示し、大筋で了承された。さらに調整し、月内に増田寛也総務相に提出する。ただ、具体的な区割りと国、道州間の税財源の配分については、提示した慎重論が強く、盛り込みを見送ることにした。新設する専門委員会で詰め、9年度に策定する最終報告に盛り込む。中間報告案では、国家の統治機構を国・道州・基礎自治体の3層制とするよう提言。国は外交、安全保障、司法などの役割に限定。道州は産業振興や公共事業、基礎自治体は300程度を念頭に置き、初等・中等教育や生活保護などを担う。衆参両議員の定数削減や国の出先機関の撤廃、国家公務員数の半減を打ち出した。区割りについては、江口座長は参考として、9、111213の道州の4案を併記した私案を示したが、慎重論が強く、基礎自治体も含めた区割り案を専門委検討することで一致した。同委では、このほか地方税財政の制度設計や道州制の理念、改革の道筋を定めた道州制基本法の2年以内の国会提出も検討する」、以上、引用を終了しますが、10年後には道州制がやってくるかもしれません。道州制の区割りでは、静岡県は愛知県などのブロックに組み入れられる可能性が極めて高いと思われます。

  県東部地域は、そうした国策の中で埋没していくのではないかと不安に駆られます。県東部地域の地図だけで考えるのではなくて、日本地図の中で県東部の発展を考えたいものです。道州制ビジョン懇談会という基礎自治体は、人口30万人以上の自治体を指すものと思われます。裾野市長が提唱した沼津市、御殿場市、裾野市、小山町、長泉町、清水町の3市3町で全部で人口44万人くらいになります。この枠組みには、三島市や函南町は含まれていませんが、当町が沼津市か三島市のいずれか片方が含まれない合併の枠組みに参加する可能性があるのかを町長に伺います。

○議長(吉田 功君) 松浦君の質問に対する答弁を求めます。 町長 山本博保君。

(町長 山本博保君登壇)

○町長(山本博保君) 松浦議員の御質問にお答えをいたします。

  議員の引用によるお言葉を聞いているうちに、まさに東部地区の合併ダイジェストをニュースで聞いているような思いでありました。東部地区における状況はまさに今引用のお言葉にあったとおりであります。

  私たちは、今、合併問題を避けて通ることはできません。しかし、だからといって、安易にこうあるということはなかなか申し上げにくい状況下であります。私は、合併につきましては、より合併効果の大きい、そして東部に中核となる都市をつくる必要がある、かように思っています。

  こういった中、過日、今、議員御指摘のように、政令都市を目指す東部の広域都市づくり5市4町による研究会が解散となりました。今後は、県の示す3市3町をはじめとするさまざまな枠組みが議論されると思われます。清水町においては、地理的条件、あるいは生活圏が一体となっているこの地域の環境を見ますると、私的には、沼津、三島が大いにその枠組みの中心になることが理想であると、かように思っておりますが、しかし、なかなか難しい状況にあることは否めません。

  地方分権や道州制の流れを見据えるとき、自治体の体力、能力の一層の向上が求められておりますので、早い機会に基礎自治体となる広域都市の実現が必要であるという認識には変わりありません。しかし、合併問題につきましては、かねてから私の公約であります議会をはじめとする町民、そして1つの方向性に向けてのすり合わせには、十分な時間をかけていく必要があるという認識であります。

  今後東部地区の発展につながる中核市以上の広域合併の協議には、積極的に参加し、方向性、そして私たちの町の1つのあるべき姿ということに研究、検討をし、また、しかるべきときには議会の皆さんにいち早く御相談し、さらには地区懇談会等を通じながら方向性を見きわめていきたいと、かように考えているところであります。

  以上、よろしく御理解をお願いいたします。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。 9番 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) 町長、繰り返しでくどいようで申しわけないんですが、先ほど述べさせていただきした裾野市長の新3市3町ですね、合併の枠に関してはこちらの議論に積極的に参加してまいりたいというふうに理解してよろしいでしょうか。

○議長(吉田 功君) 町長 山本博保君。

(町長 山本博保君登壇)

○町長(山本博保君) 議員のお尋ねの裾野市長の御発言でありますが、私も新聞紙上で記事として拝見をしております。しかし、それ以上の深い中身につきましては、市長と特別この検討についての意見交換はしておりませんが、いかなる合併議論についても積極的に参加をし、1つの考えを示していきたいと、かように思っております。よろしく御理解をお願いいたします。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。 9番 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) 前向きに検討していきたいというふうなことで理解いたしました。

  まとめといたしまして、今一番当町のホットスポットであるサントムーン柿田川にある清水町子育て支援センターの利用者についてちょっとここで述べさせていただきますが、オープンから2月末までで100日となるのですが、交流広場の利用者数が1万1,076人で、うち町内の方が3,970人で、パーセンテージにしまして26.4%であります。ほかの自治体を見てみますと、沼津市が2,827人で18.8%、三島市が4,091人で27.2%、長泉町が1,826人で12.1%、函南町が609人で4%、裾野市が650人で4.3%、そのほかが1,073人で7.1%となっております。町内の利用者が約4分の1で、三島市に至りましては清水町の町民の方より多くの方が利用されているようです。

  ちょっとすみません。先ほどの交流広場の利用者数が1万1,076人という数字ですが、これは間違いでして1万5,046人でした。改めて訂正させていただきます。

  一時保育の利用者は全部で230人でありますが、町内の利用者は59人で25.7%に当たります。こちらも町民の利用者が約4分の1のほどで、町外の利用者が4分の3を占めているような状況であります。

  もう一つ資料を述べさせていただきたいと思います。交流広場の利用者に関してですが、清水町や近隣の自治体の利用者はもちろん多いんですが、県東部の地域を見回してみますと、南は下田市から北はもちろん小山町、西は富士宮市、県内に限っては静岡、藤枝、御前崎、磐田市などの利用者も見られまして、県東部地域に限りますと、南伊豆町と河津町、芝川町を抜かしてはすべての自治体からの利用者が見られております。県外の利用者も見られております。また、一時保育の利用者に関しましても、県東部の地域から広く利用が見込まれております。

  住民の目から見れば、自治体の垣根を越えて隣の町、さらに隣の町と施設を利用することはこうしたデータからも裏づけられております。それはごく自然なことであり、もはや小さな自治体同士が単独で子育て支援など行政サービスを考えるのではなく、大きな都市の中で計画的なまちづくりの必要性を感じざるを得ません。

  町長のお考えのように、中核市以上になる合併の議論には積極的に参加されまして、取り組んでいただければと思います。

  続きまして、表題2の「自殺対策基本法」について伺います。

  平成1810月に「自殺対策基本法」が施行されました。まず、日本の自殺についての現状と「自殺対策基本法」についてを確認していきたいと思います。

  日本の平成18年の自殺者数は3万2,155人で、9年連続3万人を超える事態であります。平成10年には年間自殺者数が急増し、前年より8,000人多い3万2,863人となり、以来高どまりを続けている状況です。

  平成18年の交通事故死者数が6,352人、自殺者数はその5倍に上ります。ちなみに、交通事故死者数は、平成に入ってからは平成4年の1万1,451人をピークに減少し、平成19年には5,744人と15年で半減しています。2007年の国民の衛生の動向によりますと、死因順位の1位が悪性新生物、2位が心疾患、3位が脳血管疾患、4位が肺炎、5位が不慮の事故、そして6位が自殺で、7位が老衰となっております。

  年代別の死因では、20代から30代のトップが自殺で、40代でも悪性新生物に次いで2位となっています。特定非営利活動法人自殺対策支援センター、ライフリンクのホームページによりますと、日本では毎日90人もの人たちが自殺で亡くなっており、未遂者は既遂者の10倍はいるそうです。この同じ時代に同じ社会で、毎日1,000人もの人たちが自殺を図っていることになります。1人の自殺、あるいは自殺未遂に対して、周囲にいる五、六人以上が深刻な心理的影響を受けると言われています。未遂を含めた自殺者数が年間30万人いるということは、日本では毎年200万人を超える人たちが自殺による深刻な影響を受けていることになります。

  日本の自殺率、人口10万人当たりの自殺者数は、アメリカの2倍、イギリスの3倍で、先進国の中では群を抜いて高い状態にあります。私たちの社会が自殺の問題をタブー視し続けてきたため、対策が著しく立ち遅れていたことの結果と言わざるを得ません。

  その理由としては、これまでに講じられた施策では総合的な視点に乏しく、個人を対象にした疾病対策に偏りがちであったこと。遺族や自殺未遂者に対する取り組みが不足していたことは指摘されています。

  また、地域保健、産業保健としての取り組みも自殺率が高く、関心の高い一部の地域では積極的な取り組みが見られるものの、それ以外の地域では、関係者の連携不足等により具体的な進捗が見られなかったことも明らかになっています。

  さらには、自殺や精神疾患に対する国民の偏見が強い上、実際的な取り組みが始まってからはそれほど間がなく、効果を上げるだけの十分な時間がなかったことも理由の1つに考えられます。

  こうした中、自殺対策に取り組んでいる民間団体からは、自殺を自殺する個人の問題だけに帰することなく、自殺する個人を取り巻く社会にかかわる問題として取り組むべきであるという主張がなされるようになりました。

  そして、平成18年に自殺対策の法制化を求め、10万人の署名に後押しされ、自殺対策を総合的に推進して自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図ることを目的とする「自殺対策基本法」が全会一致で成立し、同年10月に施行されるに至りました。同法の基本理念第2条によりますと、自殺対策は国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間団体そのほか、関係するもの相互の密接な連携のもとに実施されなければならないとあります。

  ここで、当町の自殺者数を述べますと、平成13年が7人、14年が5人、15年が7人、16年が6人、17年が8人、18年が2人となっています。ちなみに、交通事故で亡くなられた方は13年が1人、14年が2人、15年が2人、16年が1人、17年が0人、18年が1人となっています。

  火災で死亡された方は、平成13年、15年、17年に1人ずつとなっていて、2年に1人の割合です。自損、自殺を試みられた方と言ったらいいでしょうか、での救急出動は13年で13件、14年で12件、15年で12件、16年で4件、17年で7件、18年に7件、19年で16件で、ことしは2月までに2件発生しているとのことです。

  当町でも、交通事故や火災で亡くなられる方よりも多くの方が自殺で亡くなっています。交通事故や火災に関しての予防運動など行われていますが、自殺に関してはそのような目立った取り組みはないように思われます。

  ここで、自殺とうつ病との関連性について、2007年9月19日の読売新聞を紹介します。「自殺未遂者4割、以前にも自殺を図り救急救命センターに運ばれて一命を取りとめた重傷自殺未遂者のうち4割以上が、過去にも自殺を図った経験があることが横山市立大精神医学教室自殺予防研究チームの調査でわかった。国内では自殺者が9年連続で3万人を超え、自殺者対策が急務となっているが、未遂者の実務把握はこれまで不十分だった。未遂者が再び自殺を図る危険性が明確になったことで、同チームでは未遂者の医療的、社会的支援が自殺対策上極めて重要との指摘をしている。同チームは、2003年度以降、同大附属市民総合医療センター、横浜市にある高度救急救命センターに搬送され入院したすべての自殺未遂者を対象に本人と家族から聞き取りを行い、そのうち7年7月までに554人、搬送患者の11.7%、男222人、女332人を分析した。過去に自殺を図った経験の有無を尋ねたところ、なしは48.1%、1回が21.8%、2回以上が20%で、過去にも経験がある人は41.8%にも上った。未遂者の自殺リスクをめぐっては、自殺者の約半数に未遂歴があるとする1990年ごろのフィンランドでの調査などがある。今回の調査は日本でも同様の状況にあることを示した形だ。家族など同居者のいる人が73.4%と、家族がいても高い割合で自殺を試みていたほか、全体の8割近くがうつ病や適応障害などの精神疾患を抱えていた。手段は大量服薬が47.4%、飛び降り、刃物による自傷が各14%前後、理由は健康問題が22%を占め、家庭問題や恋愛などの人間関係、経済問題と続いた。年代別では2028.6%、3024.7%が多く、あとは40代、50代、60代の順となっております。

  以上のデータから、自殺者の8割近くがうつ病などの精神疾患を抱えていることがわかります。厚生労働省のホームページによりますと、欧米よりは低いものの、生涯に約15人に1人、過去12カ月の間には約50人に1人がうつ病を経験しています。うつ病にかかっている人の4分の1程度が医師を受診していますが、残りの4分の3は病状に悩んでいても病気であると気づかなかったり、医療機関を受診しづらかったりして医療を受けていません」と紹介されています。

  また、中学生のうつ状態についてを紹介いたします。2007年5月10日の毎日新聞によりますと、「中学生の4人に1人がうつ状態を示す調査結果を厚生労働省の研究班主任研究者保坂隆東海大医学部教授がまとめた。調査対象者が約600人と少なく、医療が必要な患者がどの程度いるかは不明だが、子供の自殺防止策の参考データになりそうだ。調査は6年の8月、静岡県内の公立中学校1年から3年生566人を対象に、国際的に使われている手法で実施。生きていても仕方がないと思う、ひとりぼっちの気がするなど18項目を質問し、いつもそうだ、時々そうだ、そんなことはないの3択から選ばせた。結果はうつ状態、うつ状態でないのどちらかに分類されている。すべての項目に回答した556人について分析した結果、男子が20%の59人、女子が28.7%の78人、全体で24.6%の137人がうつ状態を示した。自殺者の多くがうつ病などの精神疾患を抱えており、うつ対策は自殺予防の柱、保坂教授は、いじめだけでなくさまざまな理由から子供たちがうつ状態になっている可能性がある。子供たちの自殺を減らすためには、担任教諭が一対一で子供と話をするなどして、うつ状態に早く気づき、適切な対応をすることが重要であると話す。政府は自殺対策大綱案の素案の中で、人材養成を重点的に施策化しており、学校現場での担任や養護教諭らの役割が期待されている」。

  以上、さまざまな自殺やうつ病に関するデータを紹介しましたが、自殺やうつ病対策の重要性を少しでも感じていただけたのではないかと思います。

  こうしたことから、埼玉県志木市では、4月が進学、就職、配置転換などで環境の変化があることを踏まえ、5月の連休明けの5月12日から18日までを全国に先駆けて心の安全週間と位置づけ、市民の心の安全週間啓発事業を行います。当町も、自殺予防、うつ病対策にこうした取り組みが必要と思われますが、町長の考えを伺います。

○議長(吉田 功君) 答弁を求めます。 町長 山本博保君。

(町長 山本博保君登壇)

○町長(山本博保君) ただいまの自殺予防、うつ病対策に対する取り組みについて、議員の引用を拝聴しているうちに、重要性をよく理解をさせていただきました。

  これまで、自殺、あるいはうつ病というものは、心の健康に起因する個人的な病である、かようにとらえてきたわけでありますが、今、議員のご紹介にありましたように、自殺者が増えていることから、今日では社会的な問題として取り組んで、政府もその対策を講じているところであります。

  自殺、あるいはうつ病に対する予防は、さまざまな分野から多面的なアプローチが必要であり、こうした背景を受けて、国では、「自殺対策基本法」に基づいて総合的な取り組みが進んでおります。県においても国と連携をしながら、自殺対策連絡協議会を設置し、また命の電話相談等が開設されているところであります。

  当町におきましても、家庭、学校、職場、地域において、それぞれの状況に応じた対策が必要である、かように考えております。県をはじめ関係機関と連携をしながら、自殺予防やうつ病対策に関する啓発、相談体制の望ましいあり方について積極的に調査研究を進めてまいります。よろしくお願いいたします。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。発言を願います。 9番 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) まとめといたしまして、私はこれまで一般質問でも公共施設や古い耐震基準でつくられた木造住宅の耐震化問題、AEDの導入など、人の命にかかわる取り組みについて取り上げてまいりました。

  町の数少ない予算をより人の命にかかわるものに配分することは、住民の理解も得やすいことだと思います。ぜひ、こうした分野にも前向きに取り組んでいただき、啓発事業等を行い、町民の自殺予防、うつ病対策が図られるようお願いいたしまして、次の質問に移ります。

  続きまして、表題3の子ども図書館の取り組みについて質問いたします。

  私は、前回の平成19年第4回定例会一般質問で、2月に閉店しましたサンテラス駿東の子ども図書館について、町として協力できることは何かについて質問させていただきました。当局の答弁は、町長より、子供に関する読書環境が整い、また子供と本とを結ぶ場所として大変有効な施設だと認識しておりますので、今後、町といたしましても何らかの形でわが町に存続できるよう、議員御指摘の関係各事業所に対しまして、その存続についてお願いしてまいりたいと考えておりますとのことでした。

  そこで、お聞きしますが、まず前回の議会以後、当局の動きについて御説明願います。

○議長(吉田 功君) 松浦君の発言に答弁を求めます。 こども育成課長 和田君。

○こども育成課長(和田 明君) 松浦議員の御質問にお答えをいたします。

  さきの定例会議会以後、サンテラス駿東を管理しております大東紡織株式会社と連絡をとり、子ども図書館の存続につきまして企業側の見解を求めたところ、企業としてはテナント等への賃貸業務が主であり、自主運営は考えていないとの回答がありました。また、キーテナントと見込まれる事業者にも確認したところ、一企業として引き継ぐ予定はない旨の回答がありました。

  しかし、さきの議会で町長も答弁いたしましたが、子ども図書館は約1万5,000冊の書籍を所蔵しており、子供に関する読書環境が整い、また子供と本とを結ぶ場所として大変有効な施設だと認識しております。

  こうしたことから、その後も存続に向け、大東紡織株式会社と交渉を重ねた結果、施設の借上については、町が借りてくれるのであれば無償貸与するので、その後の運営については清水町でお願いできないかという提案がありました。

  このため、町といたしましては、この提案を受け、子ども図書館の存続を前提に検討しているところでございます。

  以上でございます。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。発言を願います。 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) 経過につきましては、大変よくわかりました。迅速な行動に敬意をあらわします。

  それでは、続きまして、今後の利用計画についてお尋ねします。平成20年度の施政方針では、旧サンテラス駿東の子ども図書館については、児童館の機能をあわせ持つ公共施設としての活用方法を検討してまいりますとの考え方が述べられておりますが、もう少し具体的に御説明願います。

○議長(吉田 功君) 答弁を求めます。 こども育成課長 和田君。

○こども育成課長(和田 明君) 旧サンテラス駿東にありました子ども図書館を存続させる方策として、現在と同様の規模で行政が運営をしていくのではなく、もう少しスペースを拡大するとともに、公共施設としての機能を加えることにより、より充実した子育て支援が図れるのではないかと考えております。

  こうした考えに沿って、現在、福祉センターに併設されております児童館的機能を持った施設の利用方法の検討を進めてまいりたいと考えております。

  以上でございます。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) では、3回目の質問をさせていただきます。

  今の答弁を伺いますと、町内に2カ所の児童館的機能を有する施設が、できるように感じましたが、そのように解釈してよろしいでしょうか。

○議長(吉田 功君) 町長 山本博保君。

(町長 山本博保君登壇)

○町長(山本博保君) 結論から申し上げます。2カ所ということではありません。誤解が生じないために、念のため御説明をさせていただきます。

  今まで民設民営でありました子ども図書館を、児童館的機能を持った子ども図書館として町が運営することができれば、一時的には福祉センター内に併設しております児童館と併存することになりますが、しかし、近い将来、子ども図書館の開設される場所へ統合することも検討をしております。それに伴い、現在の福祉センター内にある児童館の場所につきましては、新たな公共施設のスペースとして有効活用ができるよう検討をしてまいります。最終的には、児童館的機能を持った子ども図書館として1カ所に結合して運営されていくということになります。どうぞよろしく御理解をお願いいたします。

  以上であります。

○議長(吉田 功君) 答弁を終わります。 松浦議員。

(9番 松浦俊介君登壇)

○9番(松浦俊介君) 最後にまとめのお話をさせていただきますが、町長の答弁をお伺いしてよくわかりました。

  この子ども図書館を有効活用することによって、福祉センターに新たな公共スペースが確保できるということは、町が独自に建物をつくり、スペースを確保するとなると、大変な費用がかかると思いますので、非常に良いアイデアだと思います。できましたら、今後検討されます福祉センター内の児童館スペースにつきましては、柿田川授産所の施設としてこちらを使ってもらうことも選択肢に入れていただければと思います。

  町長の選挙公約にも、授産所施設の充実を挙げていました。昨年の3月議会でも取り上げましたが、定員20名の柿田川授産所は大分手狭になってきておりまして、倉庫や食堂も作業場所に使っているような状況であります。授産所利用者は、身体、知的、精神などさまざまな障害のある方、働く場として来ている人や仲間とのコミュニケーション、触れ合いを主体として来ている人など、利用ニーズが混在し、そうしたことへの配慮が必要だと思われます。

  また、平成1810月に施行されました「障害者自立支援法」により、柿田川授産所は地域活動支援センターとして、障害者の方々の日常生活や就労に関する相談に応じるなど、地域における障害者福祉の拠点として整備も必要になってきております。ぜひ、前向きに検討していただければと思います。

  今回の子ども図書館の存続については、いかに解決できるものかと心配しておりましたが、町長の逆境を逆手にとった千載一遇のチャンスをとらえての決断に敬意を表します。また、存続に向けてのいろいろ知恵を絞っていただいた関総務課長、相談に乗っていただき活路を見出していただいた山口社会教育課長にも深く感謝申し上げます。

  山口課長におかれましては、今月をもちまして定年退職となりますが、当町は県内でも早くからほぼ100%に近い小・中学校の耐震化を達成できたことなど、町政への功績も忘れることはできません。私も多くのことを学ばせてもらいました。改めて感謝申し上げます。

  当町がこれからも子供たちへのより良い環境づくりに努められることを期待しまして、私の質問を終わります。

○議長(吉田 功君) これをもちまして、松浦君の一般質問を終わります。

  ここで暫時休憩いたします。開会を1040分といたします。

午前1028分休憩

午前1039分再開

 




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